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自然豊かな立山町
2023.3.8 up

イスラエルからお客様をお向かえしました。ホテルとレストランを経営する3世代6名のご家族様が2週間の日本旅行を楽しんでおられます。3月5日から3日間は金ノ三寸を拠点に北陸をご旅行されました。

3月6日は立山町の「白岩酒造」「healthian-wood(ヘルジアンウッド)」「陶芸家佐藤みどり様」の3か所をご案内いたしました。

金ノ三寸からは車で約1時間に位置する立山町は立山連峰のふもとで山が間近に迫る迫力は金ノ三寸からの景色とは全く異なるもので是非、実際に訪れてご覧いただきたい景色です。

北陸自動車道、立山インターチェンジを降りて車を走らせること約10分、小高い丘を上がると黒い要塞のような建物が眼下に入ってきます。

ドンペリ二ヨンの5代目醸造最高責任者 リシャール・ジョフロワが手掛ける「IWA」を酒造する「株式会社白岩酒造」です。

ドンペリニヨンはあまりにも有名なシャンパンですが少し5代目最高責任者リシャール氏について触れておきます。フランスシャンパーニュ地方でブドウ園を経営する一家に生まれ、一度は医学の道に進みその後葡萄酒つくりに進みます。モエ・エ・シャンドンに入社し28年間最高責任者を務めました。1991年に来日して以来日本びいきとなり日本酒にも大いに興味を持ちました。彼曰く「シャンパンと日本酒は同じハーモニーが感じられ同じような口当たりと飲み心地を持っている。」そのことを踏まえ彼のモットーである野心と謙虚さをもって日本酒つくりに挑戦するため白岩酒造を立ちあげ現在に至ってます。

日本酒の酒造所のイメージとはかけ離れたおしゃれな建物は現在の国立競技場をデザインした隈研吾さんのデザインだそうです。隈研吾さんは日本を代表する建築家で株式会社隈研吾建築都市設計事務所主宰。東京大学特別教授。高知県立林業大学校校長。岐阜県立森林文化アカデミー特別招聘教授。一般社団法人日本ウッドデザイン協会会長を務める重鎮です。

車を止めると「グラセ マチュ」さんが出迎えてくれました。マチュさんはフランス人で白岩株式会社に勤めるまでは富山県庁におられたそうです。日本語も英語も堪能で今回の見学はお客様向けに英語でお願いしました。

リシャ-ル氏はワインの製法を使って日本酒を作ることを考え。パートナー探しを隈研吾さんに相談したそうです。隈研吾さんから桝田酒造の桝田隆一郎を紹介され富山での日本酒つくりがスタートします。自然豊かで水田に囲まれ富山湾が見えるこの地に一目ぼれしここの地名である白岩から「IWA」という名前に決まったそうです。

中を案内してもらいます。靴から中履きに履き替えてすぐに大きな囲炉裏のような四角いテーブルが目の前に休憩の場でもあり時には食事の場でもありフレキシブルな場所だそうです。

その奥からは日本酒の製作現場になります。日本酒の製作といえばもう少し暗いかんじを想定してましたがここはそんなイメージは全くなくとっても明るく整然としていると感じました。壁はすべて富山県五箇山で生産された和紙で作られ籾殻がちりばめられてます。地元のものを使いたいというオーナーの思いが反映されているそうです。

使用されているコメは兵庫県で生産された山田錦です。ここは富山県産ではないそうです。

精米率は35%だそうです。大吟醸ですね。

生酛(きもと)部屋は酵母を作る部屋です。昔ながらの工法にこだわってつくられています。

IWAはアッサンブラージュといういくつものお酒を組み合わせて作られています。ワインの製法の感覚を日本酒に取り入れています。まさにこれがリシェールのやりたかったことだそうです。

最後は楽しい試飲タイム。「IWA」は基本的には1年で生産されますがその後熟成させます。現在は2年熟成と3年熟成のものがありその2つが飲み比べできます。ハンドルキーパーのため飲めませんでしたが3年熟成に人気がありフルーティーな中に深みがあったと聞いてます。是非実際に飲み比べしてみてください。

日本酒とシャンパンの融合が「IWA」ということでしょうか。何よりも話題性が大きくしかも出来上がったお酒だけでなくこういう形で建物や製作現場までが注目される。これからの白岩酒造に大きく注目ですが同様に他の富山酒造メーカーにも大きな刺激となっていることと思います。相乗効果で富山県の日本酒がもっと世界に羽ばたけることを願っています。日本酒がもっともっと世界の人に飲んでもらえるお酒になることに期待です。

白岩酒造を出て今度はヘルジアンウッドに向かいます。10分ほど車を走らせると広大な敷地に建物が点在した風景が。2020年にオープンしたハーブ園、アロマ工房、レストラン、イベントスペースが点在する総合複合施設「Healtian-wood(ヘルジアンウッド)」です。

今回はレストランを利用します。ここの設計にも隈研吾氏がかかわっているとのことです。立山町と隈研吾氏のつながりがどんどん濃くなっていています。

ヘルジアンウッドは前田薬品工業 代表取締役社長 前田大介氏が立山町で美容と健康の村として製作を開始されました。1966年創業以来軟膏材等の外用剤を中心に開発と製造を続けてきています。ジェネリック医薬品とOTC医薬品の研究開発、外用剤の自社開発が少量、多品種でできることが強みです。2018年にはステロイド剤棟 2021年には立山工場が稼働しステロイド生産能力が向上します。さらにはこれからを見越し健康や美容への進出や海外販路の開拓等数々のチャレンジを続けています。

レストランに向かいます。木を基調とした平屋の建物は後ろの立山連峰とピッタリマッチして日本とは思えない壮大さが伝ってきます。店内はオーガニック感が満載で落ち着きのある設えになっておりお部屋全体にアロマの香りが漂っています。写真を撮り忘れご覧いただけないところが多く残念ですが料理はコース料理となっています。料理は二十四節気 太陽の動きをもとに1年を24等分し季節の代わりを感じる季節を表す言葉を取り入れその都度メニューを変えておられるそうです。今は「啓蟄」といわれ冬ごもりの虫がはい出るという意味で春の季語として使われています。

料理ごとに趣向の違ったお手拭きが出されそれぞれに違ったアロマの香りが楽しめてコンセプトがはっきりとしていてよく伝わる気がしました。

地元野菜をシンプルに使い香草も上手に取り入れて地元愛が本当に伝わってきます。どの料理も器に至るまで配慮が行き届き雰囲気、器、カトラリー、料理とすべてに素晴らしかったです。

他にアロマ工房、イベント広場、スパ、サウナホテルの施設があり全部を回ることはできず残念でしたがここにきたら医学の原点といえるハーブの力を香りや食やトリートメントなど様々な形で体感することが出来る心も体もリフレッシュできるところです。今度は時間に余裕をもってゆっくりと過ごしてみたいと思いました。

次の目的地は陶芸家佐藤みどりさんの工房です。佐藤さんは金ノ三寸ともつながりが深くホテルでの朝食サービスで使用する大皿や月の棟の中庭にある大きな壺は佐藤さんに焼いて作ってもらいました。お客様からも高く評価いただいております。佐藤さんは19歳から陶芸の道に入り立山の自然の魅力にとらわれ2014年に立山町に移住し陶芸活動を行っています。その年にクラフトフェア「立山クラフト」を主催し以降毎年開催されています。この「立山クラフト」とは雄大な立山連峰に抱かれ豊かで穏やかな田園風景が広がるこの土地の魅力を感じてクラフト文化が根付いてほしいとの思いで始まりました。毎年開催される立山町の大きなイベントで立山町総合公園にて2日間にわたりクラフト、フード等100以上のブースが並ぶ大きなイベントです。

ご自宅の横に隣接する工房は2階建てとなっており大きな炉が見えます。ご自宅には手入れの行き届いた日本庭園が、佐藤さんがご趣味でお手入れされておられます。

蓮型のお皿で、これらはす焼を施した状態です。2階が作業を行う場所になります。

棚には整然と製作途中の焼き物が仕上げを待っています。

佐藤さんは受注品を製作されることが多いのですが販売用の焼き物もアンティアンティ―クな棚に鎮座しています。

色の表現がとても素敵です。色分けが非常に微妙です。炭を直において焼くことで色むらを発生させているそうです。このやり方は佐藤さんが独自に考案されたそうです。

よいものつくりにはよい環境は大切ですね。

立山町は後ろに立山連峰を持つ自然豊かなスケールの大きな町です。都会生活に疲れた人が心のよりどころを求めてたどり着く場所として立山町は大変に魅力的です。そんな場所になっていくと立山町がもっと注目される場所になっていくのだろうと思って帰路につきました。春が近い晴天の日、立山の大自然で癒されました。

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