民家ホテル「金ノ三寸」月の棟2階に設え品を一つ増やしました。
あるご縁で昔のアイロンを譲って頂きました。なんとも愛嬌のあるフォルムでどこか親しみやすく金ノ三寸の雰囲気にぴったりと合っています。
このアイロンは「炭火アイロン」といって鉄でできています。
明治時代 19世紀にイギリスより伝来し日本でもたくさん作られるようになりました。
現在のアイロン同様衣類のしわ伸ばしや着物の折り目をつけるために使用するもので現在のアイロンと異なる点は熱源が電機ではなく炭のため空気を入れるための煙突や火の燃え方を調節するための空気穴がついている点です。この煙突は日本製のものにしかついていないそうです。
使い方は胴の部分に炭をいれそこを熱くして洋服のしわを伸ばしまます。アイロンそのものが重く押さえつけてのばすというのが使用イメージです。上についている円筒形の筒は煙を出すもので側面についている穴で火力を調節します。
昭和20年代まではこの炭火アイロンが使用されていたそうです。
状態がよくて腐食もないので大切に保管されていたものだと思います。その背景はわかりませんがたくさんの衣類のしわを伸ばしてきたのでしょうか。どんな人に使われていたのでしょうか。アイロン一つにもたどればたくさんの発見があるのでしょうね。調べるすべはありませんが勝手にいろいろと思いを馳せると感慨深いものがあります。
私たちスタッフはホテルにお越しいただくお客様とはご縁をおつなぎ頂いたと思ってお世話させていただいております。ご縁は本来は人と人との間に生まれるものだと思いますがこのアイロンを眺めていると妙にご縁を感じます。縁があって金ノ三寸に飾られることとなったアイロンは本来の使われ方ではなく飾りとしての役割を担うこととなりますがご来館頂くたくさんのお客様とたくさんのご縁をつないでくれる気がします。
是非、炭火アイロンを眺めに民家ホテル「金ノ三寸」にお越しください。
たくさんのお客様とご縁がつながりますことを心から祈っております。