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瑞龍寺に続き勝興寺も
2022.10.18 up

高岡市の西、伏木古府に浄土真宗本願寺の流れをくむ寺院「勝興寺」があります。地元では「ふるこはん」の愛称で親しまれるお寺です。「ふるこはん」は勝興寺がある地名「古国府」が由来となっているそうです。この名前がいかに地元の人から親しまれているかは勝興寺を多くの人に知ってもらいたいとの思いから企画された音楽ライブの名称が「ふるこはんフェス」という名前で開催されていることからもわかります。これは単なる音楽イベントではなくプロの音楽グループが勝興寺の本堂で演奏を行うことに加え若手僧侶による「坊主CAFÉ&BAR」「お寺座LIVE」や地元自治会、学生によるクラフトマーケット、ワークショップなどお寺と一体となって作り上げた盛りだくさんの内容とからなるイベントで2022年10月6日に開催されました。

この度「本堂」と「大広間及び式台」の2棟が国宝に指定され高岡では瑞龍寺と合わせて2件目となり高岡市は2つの国宝を持つ市となりました。1795年に建立され1998年に大修理が施され「平成の大修理」と呼ばれた修理も終わり今回の国宝の指定に至りました。この修理は実は金ノ三寸にも少し関係がありました。金ノ三寸の八の棟のひさしはこけら葺きという正方形の杉板を重ね合わせ貼り付けて作られています。これには高い技術が必要でこれができる職人は全国でも数が少なく中々の作業となります。勝興寺の修復にもその技術が生かされそれを手掛けた職人さんに金屋まで出向いていただきました。ひさしでつながる国宝「勝興寺」にふらっと散歩してきます。

 

民家ホテル「金ノ三寸」から高岡駅に向かい徒歩20分で路面電車が走る交差点に。運が良ければドラえもんが描かれた電車と遭遇出来ます。これに乗るこためにが目的で高岡に人がくるらしくドラえもん人気の高さを感じます。今回はこれに乗らないでバスを使います。ここからもバスは乗れますが今回は高岡駅から乗車します。バスターミナル4番伏木方面行きのバスに乗ります。16分ほどの乗車で伏木駅前に到着します。

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 ここは高岡市伏木というところで富山の海上輸送の玄関口、すぐそこが海です。駅前に大きな看板が勝興寺は間違いなくこの地のランドマークになってます。

 駅前の坂を上った先が勝興寺です。実際に歩くとしっかりした坂だということに気が付きます。普段歩いてない足腰にはとても良い刺激になります。

 

坂の真ん中あたりにおしゃれな雰囲気が。「ふしき坂の上ヴィレッジ」はコンテナがいくつも連なり一つ一つがお店になっています。「おべんとうカフェ にじのこや」さんはお弁当、お惣菜、コーヒーのお店です。手作り、無添加のお弁当は丁寧に作ってありおいしそうです。イートインも可能だそうです。「Apollo」はガラス作品のお店です。一品作のジュエリーやアクセサリー、箸置き、お香立てなどギフトにもよさそうです。製作体験もできるそうです。

どのお店も興味深いお店ばかりです。是非、立ち寄ることも予定に入れてお越しください。

 先に目の前に壮大な勝興寺の総門が目の前に、と思った右手に等身大の銅像が。高岡が万葉の里といわれるのはこの人のおかげです。738年天平10年越中国守として赴任し万葉集の編者でもある大伴家持象が目に飛び込んできました。高岡銅器の技術がここにも使われていました。大伴家持は奈良時代の公卿・歌人。小倉百人一首では中納言家持の名で一句読んでいます。29歳で越中守に任じられ5年間越中国に在任しました。

大伴家持に関しては「万葉歴史館」http://www.manreki.com/ に行くともっとたくさんのことを知ることができます。

 寄り道はここまでにして目の前に均整の取れた美しい門が、しゃちほこが両サイドに鎮座してお城のようないでたちは勝興寺の入り口「総門」です。坂を歩いて来たという達成感も相まっていよいよといった高揚感をもって総門をくぐります。

 すぐ左には受付がありここで見学の許可をいただきます。

 左には金箔を施した唐門が。京都の興正寺から移築されたそうです。特別な存在感を示すこの門は本来は特別な人だけが通ることのできる門らしく誰でも通ることができる勝興寺の例は珍しいそうです。

 中に入ってみましょう。唐門をくぐると目の前に本堂が、左右のバランスが本当に美しく建立当時にこんな大きなものをここまで均等にきれいに作れるものかと当時の建築技術に驚かされます。圧巻は面前に広がる亜鉛合金板が屋根全体に葺かれた大屋根です。聞くところによるとこの屋根にはこけら葺きが施されその上にさらに亜鉛合金板葺が施されているとのことです。こけら葺きは見えませんでしたがここを手掛けたおられた職人さんが「金ノ三寸」のひさしを作ってくれたのですね。

 

本堂を出て隣にはもう一つの国宝「大広間、式台」があります。ここはいわゆる接客ののための建物です。本堂とは対照的にシンプルな構造は接客を意識した日本人らしい奥ゆかしさでしょうか。中には上質な書院造のある大広間もあり武士とのかかわりを持つ格式高い場所とされていたとのことです。

他,勝興寺の七不思議をはじめ見どころたくさんのこの場所は一見の価値ありです。特にどの建物も屋根に特徴があると感じました。手作りが基本の当時の建物の景観の大半は屋根にかかっているなと改めて感じました。

 

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