新しく設えました
2023.7.9 up

「金ノ三寸」(以降当ホテルといいます)のコンセプトの一つに「当ホテルに滞在してものつくりを感じてもらう」がございます。

これまではその物つくりの物の対象のほとんどは支援会社である四津川製作所がプロデュ-スするブランド喜泉堂およびKISENの商品となっておりましたが今後は期間を設けて他社ブランドの商品も当ホテルに設えることで会社および商品を紹介させていただきます。当ホテルが素晴らしい物つくりをされておられる会社およびその商品の発信の場所となれるように努めて参ります。

第2回目は第62回日本伝統工芸富山展において最高賞を受賞した般若泰樹氏を紹介させていただきます。泰樹氏は普段は父、保氏とともに「般若鋳造所」にて茶道具を鋳造する職人として汗を流しています。多忙な毎日を過ごす中、泰樹氏の父保氏が独自に発展させた「吹分」と呼ばれる技法や伝統的な着色方法の「本焼」を使った泰樹氏独特の感性から生み出される作品製作も手がけ、1998年に日本伝統工芸展に初入選を果たして以来多くの受賞を重ねています。特に2019年の日本伝統工芸展において入賞した「吹分盤」はその出来栄えが高く評価されアメリカワシントンスミソニアン博物館に収蔵されました。

また、最近は後身を育てていくことにも尽力され小中学校の授業「もの作りデザイン科」に登壇し小学生に高岡銅器について教えています。

*「吹分」(ふきわけ)

 普通は一つの型には一つの金属を流し込むのですが高く高度な技術と知識を駆使する

ことで複数の金属を交互に流し込んで造形を行う鋳造方法。

*「本焼き」(ほんやき)

 高岡銅器の着色の技法のひとつ。高温で長時間焼くことで表面に朱色が現れる。

朱色が流れるような模様を利用して表現する着色方法

*「般若鋳造所」

 明治3年(1870年)に富山県高岡市で鋳物つくりを始め、かつては鍋や火鉢などの生活用品を作っていいたが近年は茶道具を中心に銅器、鉄器の製造を手掛けています。

 

今回ここ金ノ三寸では泰樹氏の代表作2点をお借りして展示させていただきました。

一文字花瓶 並焼朱銅色 銅製
筒形花瓶台付吹分 銅製

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