民家ホテル「金ノ三寸」の新しい取り組みのご連絡です。
「金ノ三寸」(以降当ホテルといいます)のコンセプトの一つに「当ホテルに滞在してものつくりを感じてもらう」がございます。
これまではその物つくりの物の対象のほとんどは支援会社である四津川製作所がプロデュ-スするブランド喜泉堂およびKISENの商品となっておりましたが今後は期間を設けて他社ブランドの商品も当ホテルに設えることで会社および商品を紹介させていただきます。当ホテルが素晴らしい物つくりをされておられる会社およびその商品の発信の場所となれるように努めて参ります。
今回は高岡漆器を紹介させていただきます。高岡市金屋町は鋳物の町として発展してきましたが高岡には高岡銅器以外にも伝統工芸がございます。その一つが高岡漆器です。
高岡漆器は富山県高岡市で作られる漆器の総称でその特徴は「青貝塗」「勇助塗」「彫刻塗」の3つの技法に代表され幅広い作風を楽しめることにございます。
その歴史は加賀藩初代藩主・前田利長公が高岡城を築城し武具や箪笥,膳などの生活用品を作らせた1609年が始まりとされています。その後中国から堆朱や堆黒の技法が伝わり彫刻彫、螺鈿,錆絵などの技法が考案されました。
江戸中期には木彫りに朱、黒などの漆を塗り重ね雷紋や亀甲の地紋の上に草花等の模様を掘り出す「彫刻塗」が考案され江戸の末期には石井勇助が中国の漆器に憧れ研究の後生み出した技法で花鳥風月等を錆漆で描き青貝、箔塗、玉石を施す「勇助塗」が生み出されました。
高岡漆器の一番の特徴は「青貝塗」です。螺鈿と総称される技法で、鮑等の貝の光沢のある部分を薄く削って花鳥や山水を表現する技法です。(その薄さは普通0.3ミリと言われていますが)高岡は0.1ミリの厚さのものを使います。それにより下地の漆の色が透けて青く光って見えるようになります。これが高岡漆器の一番の特徴といわれています。
漆器は日本人には大変になじみ深いものです。それは漆器の産地が日本全国いたるところにあることからもわかります。当時のライフスタイルには漆器はなくてはならないものとして普通に生活の中で使われていた、若しくは特別な時に使われていました。それが素材の研究、塗料の研究が進み、やすくて使いやすいものが考え出され漆器は徐々に人々のライフスタイルから消え、今は伝統工芸品となり主として伝承品として受け継がれる物となり現在のライフスタイルとは趣の異なるものなりました。今回の発信を通し普段の生活の中で漆器を感じてもらい漆器のある生活の良さに気づいてもらえたらと思っております。
高岡漆器を代表して天野漆器様の商品を
並べさせていただきました。
天野漆器株式会社
住所:富山県高岡市波岡245
Web site : http://www.amanoshikki.com/
TEL:0766‐23‐2151
代表:天野 真一
高岡市を代表する老舗漆器メーカー
明治25年創業以来培った「高岡漆器」の伝統技術を生かし現代生活にあった商品
つくりに専念しておられます。最近は漆を現在の生活にも取り入れたいとの思いから漆と螺鈿を生かした「螺鈿ガラス」ブランド、マグカップ、器などの生活用品を製作する「DEN」ブランドを立ち上げ新しい漆の可能性を発信しています。
八の棟
飾盆 2匹鯛彫 180,000円
W39.8 D32.5 H2㎝
木製、朱塗り
引出付飾箱 牡丹(貝入り) 300,000円
W25 D17 H24.5㎝
月の棟
飾り箱 美人図(貝入り) 500,000円
W16.7 D16.7 H12.4㎝
木製,漆塗
長角小箱 風神雷神 80,000円
W22.2 Ð13.2 H7㎝
木製.漆塗